松原邦彦 (著者略歴)
アインシュタインの同時性と時間についての考え方
アインシュタインが1905年に最初に発表した相対性理論の論文にできるだけ忠実に、彼の時間に関するとらえ方を追いかけました。
これは拙書「電気・磁気の法則の発見者たちの第9章「アインシュタイン」の項で、十分に数式が理解できる理系大学生の読者のために補足するつもりでまとめています。
量子力学の観測問題について
量子力学の誕生以来、いまだに議論が絶えない観測問題について、これまでに現れた理論における考え方を大まかに4つに分けてそれぞれの特徴を整理しています。これは拙書「時空構造と存在の確定」の第II部の序章の一部を抜書きしたものです。
シュレーディンガー方程式定式化の論理
量子力学のシュレーディンガー方程式の成り立ちについて、その理論の提起者であるシュレーディンガーさえもこの理論は未だ発展途上であると考えていました。シュレーディンガーの猫等などもその疑問から生まれてきたものです。そこで使われている論理を整理してみました。
情報と個の同定との関係
量子統計においては同種粒子の無差別性が原理とされている。これは果たしてわれわれの常識を破る特殊な原理であろうか。筆者はこれはなんら特殊なものでなく、常識の世界でも成り立つ一般原理であると主張する。
量子力学におけるスピンの起源は何か
素粒子が大きさを持たない点粒子であれば、古典力学的にはスピン角運動量を持つことはできない。計算上はスピンの性質について規定できるが、その理論構造を具体的に明確にイメージすることを許さない現在の量子力学の不満足さを主張しつつ、量子力学におけるスピンの取り扱いを解説しています。