武石の郷から平和を考える

日本の外交の真価と米朝首脳会談。

松原 邦彦(2018.6.12)

 今日6月12日(火)、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長がシンガポールで会談を行った。マスコミは歴史的という言葉を使っている。確かに世界平和にとっては歴史的会談になりうるとして私も終始テレビにくぎ付けになった。
 今日より2日前、信濃毎日新聞にこんな記事が載っていた。それは1994年羽田内閣の時期に官房長官を務めたという熊谷弘氏が阿部晋三首相ほか現政権担当者らへの助言として次のように語ったという。
「戦争がどんなに重たいものか、歴史のことを勉強したほうがいい。勇ましいことは誰にでもいえる。外交の敗北の行き着く先が戦争だ。」
熊谷氏は1994年当時の第1次核危機を経験した閣僚の一人だったという。
 私は次のように考える。
 歴史を踏まえた上で、人類はどのような世界、社会を目指して行こうとしているのか、人間が目指すべき道の大局を見据える力のない指導者はあがけばあがくほどのっぴきならぬところへ国を追いこんでゆく。 そして最後には危険な賭けに走ることになる。戦争はそのようにして始まる。国民はそういう指導者を選んではならないのだと思う。さて、金委員長はどうなのか、トランプ大統領は? そして阿部首相は?


憲法問題。
松原 邦彦(2019.6.7)

 阿部首相が憲法の早期改定に言及。
 私は日本の憲法の第9条は人類の果たすべき理想を実現しているものであって、各国が将来に実現すべき理想を現実に実現しているのがこの憲法9条であると考えている。 この憲法9条を変えることは、人類全体の損失となると考えられる。
 日本はこの憲法のもとで経済的に発展してきた。文化も育てられてきた。そして何よりも科学技術の発展はこの平和あってこそ遂げられたものであろう。 ノーベル賞受賞者の増加はこのことを物語っている。国際社会も憲法9条の精神を認め、日本に信頼を寄せ、日本に戦いを仕掛けることなく、平和的共存を保ってきた。
 しかるに阿部首相はこの憲法を改定して、やがて戦力の不保持をなし崩しにして武装化に持っていこうとしているのが明らかである。
 人類そのものが平和で幸せな世界を構築しようとする努力をも、崩していくことになる。だから人類全体の損失になる行為なのである。
 このような展望を阿部首相は持ちえないのか…と疑いたくなる。
 人類の将来を考えて日本の憲法9条は守り通さなければならないのである。

松原 邦彦(2019.6.7)