剣沢から欅平
さっちゃん、ノブ君
2002年7月18日(木) 晴れ 室堂9:30 剣沢小屋12:00 真砂沢ロッジ14:00 (歩程4.5h)
ノブ君宅を6:00に出発し、扇沢7:30のトローリーバスに乗って、室堂に向かう。途中、黒部ダムから水が放流され、虹がかかっていたのが印象的だ。 室堂から、ミクリが池、地獄谷を経て、別山乗越に、向かう間、何度も荷揚げ用のヘリが飛び交っていた。 真っ青な空と、入道雲が夏を思わせるが梅雨明け宣言は未だの様だ。 高山植物が可憐で美しいが咄嗟には、花の名前が出てこない。チングルマとイワカガミと。 コバイケソウは、すぐにでてきたが。。。。 休憩のときに食べた、きゅうりとハムがめちゃめちゃ美味しい。勿論、塩、マヨネーズ付きで。 剣沢雪渓で、軽アイゼンをつけ、平蔵谷、長次郎谷を左に見ながら、こんど、機会を見つけて、八ツ峰Y峰Cフェースを登りたいなと思いを馳せる。 5月の3日、4日の雨で八ツ峰の1峰が土石流となっていたのがそのままあった。 真砂沢ロッジにつくやいなや、まず、テラスで冷えたビールで乾杯。美しい自然を眺めながら、午後の穏やかな時間をゆっくりと過ごす。夕方ぽつぽつと雨が降ってきたので、場所を部屋に移し、引き続き、 美酒に酔う。真砂沢ロッジは、こじんまりとしていて、今日の宿泊客は、3パーティのみ。 我々と、単独行の女性と、測量技師の3パーティだ。小屋のおじさんもいい人で、新潟の柏崎の人とか。アットホームなのがイイと思う。今日は、ノブ君持参1000円のブランディが格別に美味しかった。 午前2時ころから、トタン屋根をたたく雨音で嫌がおうでも目が覚める。かなりの雨量だ。
7月19日(金) 雨/曇り 真砂沢ロッジ7:10 二股吊橋8:06 仙人池峠10:10 仙人池ヒュッテ10:25 /10:45 仙人温泉小屋12:00 (歩程5h)
5時ころより、外の様子を伺っているが、雨がやんだかなと思うと、また激しく降り出すといった具合で、 このまま、ここに停滞していてもしょうがないので、装備を整え、真砂沢ロッジをあとにする。 雪渓歩きは、どうも足に力が入ってしまう。(アイゼンはつけず) 時々、クレパスから、川のごう音が聞こえてくる。こんなところに落ちたら一たまりもないので、慎重を要される。 近藤岩を見、二股吊橋を渡ったところで、小休止とする。これからが、急な登りとなる。 時々、薄日がさすもまたすぐ、ぽつぽつ降ってくる。暑い。高度計を時折みながら、標高を確認する。 仙人池に映る、逆さ八ツ峰を期待していたが、池は雨足だらけ。雲が切れてきて、八つ峰を仰ぎ見る事ができた。 今日の泊まりをここ、仙人池ヒュッテにするか、この先の仙人温泉小屋にするか、迷ったが、まだ時間的に余裕があること、温泉につかりたいことを考慮し、この先に向かう事とする。 仙人池ヒュッテのお姉さんが「気をつけていってらっしゃい。」と玄関前まで出てきてくれる。さわやかな人だ。仙人池ヒュッテを下り、雪渓に出るまでの間、危ないところがあり、昨日、阿曽原温泉小屋の方が青いロープを張ってくれたとのこと。非常にありがたかった。 ごう音のする雪渓を渡り、夏道の藪の中をエンエンと歩く。危険個所には、鎖、ロープが張ってある。 雪渓は、冷気と温気が入り混じっているのが分かる。 蒸し暑くて、嫌気がさしてきたころ、温泉の煙が見える。 仙人温泉小屋は、貸しきりだった。明るいうちから、大自然の中の露天風呂に入れるしあわせを感じながら、また五竜、白馬を眺めながら、ビールを口にする。 少し昼寝をして、睡眠不足を解消する。17時、に起きる。まだまだ外は明るい。 夕食後にもう一回、温泉に浸かる。ランプの明かりが自然に溶け込んでいる様だ。
7月20日(土) 曇り 仙人温泉小屋6:45 阿曽原温泉小屋8:45/9:15 欅平14:30(ここで新潟組みと合流)
阿曽原温泉小屋に着くまでの間、2回(山かかし)という毒蛇に遭遇する。1回目のときは、細い山道の脇にいて、 じっとこちらの方を睨み付けているのだ。ドキドキしながら、そーっと通過する。2回目は、阿曽原温泉小屋のすぐ裏あたりにいて、やはり、山道の脇にいたので、静かに通ってきた。阿曽原温泉小屋の人が、山の整備をこつこつとやられている話、環境庁がはじめて、その予算組みをしてくれた話、等、山の環境整備に関する、話をしてくれた。 需要と供給のバランスがとれていないのが現状のようだ。 谷を渡り、水平歩道をエンエンと歩く。はるか眼下に黒部渓谷を見下ろし、岩に削りこまれた細い道だ。 欅平の赤い屋根の駅が見えたところで、もうすぐだと思ったのが間違いで、それからが長かった。トムソーヤの冒険を思わせる、150メートルの水浸しの真っ暗なトンネルの中ヘッデンを頼りに歩くのは閉口だった。でも、あの、急な雪渓をトラバースするよりは、はるかに安全ではあるが。。。。 後は、ひたすら、さっちゃんファミリーとの待ち合わせ時間を気にしながら歩く。とにかく歩く。あの、欅平駅の赤い屋根が見えたとき、ほっとする。
7月21日(日)晴れ 宇奈月〜糸魚川〜大町